ロックミュージックが日本に普及していった経緯は諸説ある中で、1970年前後に活動していた「はっぴいえんど」や矢沢永吉率いる「キャロル」などがその始まりとされています。海外の影響を多大に受けながらも日本独自の解釈や衣装を取り入れ、徐々に一般のファンにも浸透していった事が特徴です。
1980年代に入るとそのロックのスタイルも多様化が進み、ハードロックやヘヴィメタル、パンクロックや歌謡ロックなどの幅広いジャンルが形成されていきます。代表的なバンドとしては一般層にも絶大な支持を獲得した「BOØWY」や、現在でも活動を続ける「XJAPAN」などが挙げられるでしょう。この両バンドに代表されるように、メロディアスなロックミュージックが歌謡曲的に受け入れられる地盤が出来た時代とも言えます。またXJAPANの影響もあり、派手なビジュアルを施してハードな曲を演奏するバンドの人気も一般化し、日本のロックミュージックが確立していった時代背景とも受け取れます。この時代で見逃せない部分がバンドブームという現象で、アマチュアやプロを問わずに誰しもがロックに触れた時期でもありました。
その後90年代にはメイクや衣装にこだわりを持ったビジュアル系バンドの流行もあり、代表的なバンドでは「L’Arc~en~Ciel」や「ルナシー」などが有名です。2000年代からは派手な衣装とは対象的な、カジュアルなファッションに見を包んだいわゆる青春パンクのブームが見受けられます。この頃からロキノン系などのジャンルも登場し、ロックはカジュアルな雰囲気で演奏するという新たなスタイルが生み出されています。
そして現在の日本のロックシーンはさらに多様化しており、デジタルロックを用いるバンドもいれば、アイドルとメタルの融合などというジャンルも人気となっています。各地で行われる音楽フェスも定番化していますので、ロックミュージックというのは日本の音楽業界ではすでに欠かせない存在となっているのです。