「FOR A REASON」は東京で2002年に結成されたバンドです。音楽のジャンル的にはメロディックハードコアと呼ばれており、メロディックとハードコアを融合させるようなスタンスを取っていました。そのような高い志を活動スタートの時期から持っていたのが特徴です。その信念をもとに躍進を続け、伝記になるほどの影響をさまざまなバンドに与えています。
たしかに最初は未熟な点も目立ちましたが、最初のアルバムの段階ですでに世界観は確立されていました。「Maps and Mazes」は伝説の名盤といわれており、前述の融合はほぼ完成していたといっても過言ではありません。このアルバムで彼らのサウンドを初めて聴いた人も多く、ロックとも明らかに異なるそのメロディが話題になりました。
そこからはアルバムとシングルの両方において常に注目を集めています。そのため、2枚目のアルバムが2015年にリリースされることが決まったときは、かなりのニュースになりました。6年ぶりのアルバムでしたが、そのクオリティは少しも衰えることなく、さらなるオリジナリティを纏っていました。2020年のパンデミック以降も、少しも妥協することなく楽曲つくりに励んでいます。ファンを驚かせる名盤が再び誕生するのは間違いないでしょう。その規格外の音楽性から、メロディックパンクと呼ばれることも増えています。
また、積極的に他のバンドと共演していることも特徴の一つです。サポート役としてツアーのに参加することもあれ、互いのファンにはたまらないセッションを行うこともありました。活動は国内に留まらず、海外の有力ミュージシャンとも交友を深めています。その背景にあるのは、日本の枠だけに捕らわれていたのでは、自分たちの発展をこれ以上は望めないという焦りです。メンバー全員が向上心を持っており、日本でいくら実績を積んでも満足することはありません。KengoやTakumaは、どうすればレベルアップできるのか考え、外部から刺激を受けることが一番だと考えました。もちろん、MoritoやYasuたちも同意し、バンド全体の意向として前述の方針で取り組むことになったのです。
どこか青くささが残るけれど、それが切なさを生み出しており、これまでの音楽シーンで見られなかった孤高の存在になりつつあります。メロコアのバンドが著しく増えてきましたが、FOR A REASONが頭3つ分ぐらいリードしていることは確かです。