“ニューヨークに存在するマジソンスクエアガーデンは、ロックの聖地としての有名ブランドでもあり、世界のミュージシャンがこの地を目指しています。このマジソンスクエアガーデンにおいて、日本人のアーティストで初めて単独ライブをおこなったのが「L’Arc~en~Ciel」です。デビュー20年の時を経て実現したこのライブは、世界10カ国を巡るワールドツアーの中で2012年3月25日に開催されています。
日本国内はもちろん世界中にもファンを持ち、海外でのライブ経験も多いL’Arc~en~Cielですが、この日のライブは特別な覚悟が必要だったようです。ボーカルのhydeは「日本の国旗を持って戦っているような気分」と語っているように、相当な意気込みと緊張感の中で開催された事が伝わります。
この歴史の瞬間をひと目見ようとチケットはソールドアウトしたとされ、アメリカのファンも会場には多く存在したようです。伝説になるであろうライブの1曲目は「いばらの涙」で、いきなり渋めの選曲でありながらもこのバンドの闇の魅力を伝えるには最適な印象です。3曲目にはhydeの高音が響き渡る「GOOD LUCK MY WAY」で、挨拶代わりのハイトーンボイスを披露します。そして最初のMCで、hydeがマジソンスクエアガーデンでのライブの喜びを英語で表現します。さらに間髪入れずに彼らの最大のヒット曲「HONEY」が炸裂。このあたりで会場は一体感を増し、歴史的な空間を楽しむような雰囲気もあったようです。
途中英語歌詞のオリジナル曲やアカペラなどを披露しながら、怒涛の後半のラッシュへと向かいます。アンコール前の最後となる15曲目は、会場が盛り上がるアッパーなナンバー「READY STEDY GO」で一旦終了。
ここでマジソンスクエアガーデンでは初めてであろう、日本人バンドへのアンコールが始まります。現地の異様な雰囲気の中で聞いたアンコールは、彼らにとってどのように聞こえたでしょうか。
アンコール後のラスト前18曲目が終わると最後のMCが始まります。ここでhydeは「楽しかった、また来てもいいかな?」と言い会場のオーディエンスに感謝の言葉を伝えます。ラスト曲は彼らの象徴的な曲とも言える「虹」で有終の美を飾りました。
このライブは歴史の瞬間でもあり、またマジソンスクエアガーデンにとっても特別な日であった事は間違いありません。初めて単独ライブをここで行なったのがL’Arc~en~Cielだという事は、誰もが納得の行く事でしょう。”