めんたいロックとは、1970年代を境に九州で流行したロックシーンのことです。この時代、特に福岡の博多は日本のリバプールと呼ばれるほどにロックバンドで人気を博していました。なぜリバプールと呼ばれていたかというと、イギリスで起こったロックンロールの有名なムーブメントがリバプールで発生していたからです。1960年代には、こういったムーブメント全体を通してリバプールサウンドという言葉も生まれたほどです。日本にも馴染みのあるアーティストにはビートルズもおり、ここから世界に向かって戦後の音楽文化が爆発的に広がったといっても過言ではありません。これを真似して、日本のリバプールと自分たちで称していました。

同時にめんたいビートなどと言った言葉も作られるようになり、その時代の先取りをしたようなハイセンスのアーティストが登場したことで有名です。福岡市の中でも、特に博多で様々なアーティストが生まれたこともあって、一躍有名な場所となりました。音楽的な側面としては、元々この地域で有名アーティストたちがライブハウスなどを通してフォークソングを敬愛していたという背景があります。これは、日本全国的にもそういった風潮がありました。歴史的にも、現代的な基調で音楽シーンが盛り上がっていったのはビートルズが日本に来日した1960年代です。音楽シーンでは、イギリスが他の国よりも前進していて先進的なものを提供していました。海外から取り入れられた最新の音楽を、日本風に独特にアレンジしていった結果、昭和史にも残る1970年代からの激烈なムーブメントが登場することになります。新しい音楽が多く生まれて、そのきっかけとなったのがこの博多の盛り上がりと言っても過言ではない現状です。
ここから登場した日本全国的にも知名度の高いアーティストとしては、井上陽水や海援隊、そして長渕剛などは非常に有名ですが、このような音楽的な基盤が最初からあったところに大きな流れになったのが大きいです。それまでも、音楽は様々な形で提供されていましたが、ロック調で若者の心を掴んだという意味では大きな成果があったといえます。新しい音楽は福岡から、という合言葉ができていきました。
実際に、ライブハウスにはそれまでとは異なって激しい音楽を主体とした若い人たちも集まってきました。福岡はその中心的な場所でしたが、博多や中洲といった地域で多くの人がさらに活躍をしだします。